DailyReport巻頭言

2019年2月号 月初の言葉 孫子の兵法【DailyReport巻頭言 第101回】

孫子とは今から2500年ほど前、春秋時代末の呉(ご)という国の軍師として活躍した孫武(そんぶ)が著した書籍のことです。「孫子の兵法」とは誰もが一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

彼を知り己を知れば、百戦してあやうからず
(『孫子』謀攻編)

(現代語訳)
彼(相手)の実情を正しく知り、かつ、自分自身の実態を正しく知っている。このような状況であれば、何度戦っても危ういことはない。大変有名な一節です。実はこの後にはこのような内容が続くのです。

彼を知らずして己れを知れば、一勝一負す。彼を知らず、己を知らざれば、戦う毎に必ず危うし
(『孫子』謀攻編)

(現代語訳)
彼(相手)の実情を正しく知らず、自分自身の実態を正しく知っているのならば、勝ったり負けたり、となるだろう。彼(相手)の実情を正しく知らず、自分自身の実態も正しく知らないのであれば戦うたびに危険がやってくる。

味方の実情、相手の実情を正しく知っているか、否かの組み合わせで論理的にその予見される姿を示しているのです。また、この文面は以下のような内容から始まるのです。

勝利を得るためには、第一に戦って良い時と戦ってはいけない時とをわきまえていれば勝つ。第二に大軍と小勢(こぜい)のそれぞれの用い方を知っていれば勝つ。第三に上下の人々が心を合わせていれば勝つ。第四によく自ら準備を整えて油断している敵に当たれば勝つ。第五に将軍が有能で主君がそれに干渉しなければ勝つ。この5つのことが勝利を得るための方法である。

戦いに勝つためのポイントを簡潔に記しています。孫子の魅力はさほど文字数の多い文献ではないのですが、戦い方のポイントがわかりやすく記されているところでしょう。

そのような観点からすると、戦(いくさ)の仕方ばかりが記載されたものと思いがちですが、実際はそうではありません。

孫子ではこう述べている部分があります。

戦争の原則としては、敵国を傷つけずにそのままで降伏させるのが上策で、敵国を打ち破って屈服させるのはそれに劣る。軍団を無傷でそのまま降伏させるのが上策で、軍団を打ち破って屈服させるのはそれには劣る。(中略)こういう理由から百たび戦闘して百たび勝利を得るというのは最高に優れたものではない。戦闘しないで敵兵を屈服させるのが最高に優れたことである。

戦(いくさ)には莫大な戦費と労力がかかるため、長引かせてもいけない、とも記されています。要は「戦わずして勝つ」というのが一番良いと言っているのです。

 

※デイリーレポートは、朝礼の読み合わせなどでご活用いただくため、
冊子版(郵送)もご用意しております。
1冊250円、20冊(月額5,000円)より承っております。
ぜひ、法人職員の皆さまとご活用ください!

お申込みフォームはこちら
https://55auto.biz/keiei-juku/touroku/entryform11.htm

DailyReportのホームページはこちら
https://dailyreport.g-msa.org/

我々は、医療・介護・福祉のすべての人に有益な情報をお届けする活動をしています。
ぜひ以下のサイトもご参考になさってください。

一般社団法人
国際福祉医療経営者支援協会

一般社団法人
これからの介護医療経営塾

現在、病院管理者養成塾、第1期生募集中です。

医療・介護・福祉に携わるすべての人に読んでほしい
Daily Reportの詳細は下記をご覧ください。

堀田の書籍はこちら
コミュニケーション活性化で組織力向上! 経営者・管理者が変える介護の現場